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2001年9月11日の事件からほぼ一年が経つ。
ワールド・トレード・センターの 跡地をどうするか、世論はメモリアル・パークとビルの再建との二つに分かれ、著名な建築家まで巻き込み議論が沸騰している。
わたしは、メモリアル・パークなどにすべきだとは思わない、いわんや巨大なビルを再建するなどという案などには反対だ。事件後数ヶ月にわたりくすぶり続け、そのなかから遺体の小片を探す作業は、今後二三年はかかるだろうといわれた。ところが、アフガニスタンへの報復攻撃の成果と呼応するかのように作業は急ピッチで進み、いまでは建築前の更地のようになった。見学者用の通路が設けられ、もうすでにメモリアル・パークである。
わたしはここを封印すべきだと思う。瓦礫を元に戻し、鉄条網で囲って、誰一人はいれることなきようここを封印すべきだと思う。人類の愚行の痕である。テロを現代の人類が克服できない以上、人間の解釈がはいった博物館のようなものでその愚行を固定してはならないと思う。同じような場所がここ一年でもアフガニスタンやパレスチナで数多くできてしまった。「憎しみの再生産」が無くなるまで、あるいはテロの克服、その糸口が見つかるまで、直視できないほどの悲惨な傷跡は、人類の宿命として、そのまま封印すべきなのである。

   
         



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